特許明細書と一口に呼んでいたが、
出願時には、複数の書類を提出していた。
最も重要なのは明細書であることは間違いないが、
各資料の役割について簡単に記載する。
## 特許出願時の資料
- 特許願
- 特許の願書。
- 主な記載内容は以下の通り。
- 発明者の情報(居住、氏名など)
- 出願人(弁理士の情報)
- 提出する資料の一覧
- 特許請求の範囲
- 明細書に記載した発明のうち、特許された後の権利範囲を明確にした資料。
- 明細書
- 発明の内容を、同じ技術分野の専門家が実施できるよう説明した書類。
- 図面(必要な場合)
- 明細書の内容を補足する図面。
- 要約書
- 発明の内容を要約したもの。
- 特許権取得に直接関係がなく、どのような発明なのかという情報をまとめた資料。
## 明細書の記載ルール
- 第三十六条6項
```
第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 特許を受けようとする発明が「発明の詳細な説明」に記載したものであること。
二 特許を受けようとする発明が明確であること。
三 請求項ごとの記載が簡潔であること。
四 その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。
```
発明の詳細な説明 → 明細書に記載されている
つまり、明細書の記載内容が、
過不足なく、明確に、簡潔に、フォーマットに則って記されていることが最も重要である。
## 明細書に記載する内容
必須項目と任意項目がある。
https://www.pcinfo.jpo.go.jp/guide/Content/Guide/Patent/Meisai/doc/P_Meisai.htm
基本的には以下の流れとなる。
- 発明に関する技術の説明
- 既存技術の問題定義
- 問題を解決する発明の概要
- 発明の詳細な説明
【技術分野】
【背景技術】
【先行技術文献】
【特許文献】
【非特許文献】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【課題を解決するための手段】
【発明の効果】
【図面の簡単な説明】
【発明を実施するための形態】
【実施例○】
【産業上の利用可能性】
【符号の説明】
## 特許庁提出後の話
特許庁提出後しばらくして、特許出願広報として一般公開される。
j-platpat で検索すると広報が確認できる。
※特許広報と特許出願広報は異なる。